原文:
http://www.starcitygames.com/article/25836_Making-Plans-For-SCGDC.html
エスパーについての興味深い記事があったので訳してみました。
尚、この記事の筆者は同じリストを使用して4位に入賞されています。
拙い文章ではありますが、興味のある方は是非どうぞ。ただ、訳しづらかったところはカットしているのでそこのところはあらかじめご了承ください。

プロツアーGatecrashはスタンダードにおいてメタゲームを決定付ける重要な役割を果たしたが、SCGDC(=SCG Open Washington)の前にはいくつかのグランプリとSCGがあった。また、俺はフォーマットがスタンダードであるMOCSへの出場権も持っていた。プロツアーで使用されたデッキを一通り見た後、エスパーを使うことにした。そして、それを環境に合うように改良しようと思った。そうするにはデッキを作り、対戦を繰り返すことが最も良いアプローチだと思った。

最初に作ったデッキは方向性が定まっていなかった。未練ある魂、イニストラードの君主ソリン、ボーラスの占い師、ネファリアの溺墓、スフィンクスの啓示、そして月の賢者タミヨウを含んでいた。もちろんこれらは強いカードではあるけれど、特にシナジーもなくてあまり噛み合なかった。

このデッキはいくつかの大会ではよく回ったが、勝ったときは大抵辛勝であったし、負けたときは一方的に負けてしまった。インスタントやソーサリーが少なすぎたために、占い師は大抵2マナ1/3のバニラになってしまった。また、毎ターンプレインズウォーカーや未練ある魂を使うためにタップアウトしてしまいハンドの雲散霧消がうてないという状況にも出くわした。そして、何故他の勝ち手段があるにもかかわらずネファリアを採用したのかという問題も出てきた。俺はライフを削って勝ちたいのか?LOで勝ちたいのか?それとも両方?
俺のリストはいろいろな不具合をはらんでいたが、少々頑固なためにいつもは尊敬して素直に耳を傾けるような人からのアドバイスも無視してしまった。

MOCSは4-4という酷い結果に終わってしまった。Reid DukeがPlayers Championship のあとに自戒の意を込めて全てのプレイミスを書き出したということを思いだしたが、俺の場合は少し違った。もちろん、いくつかのミスプレイはあっただろうけど、最も大きな違いはデッキ構築に関して独りよがりになってしまい他人に意見に耳を傾けなかったことだ。

MOCSの後、俺は自分の間違いから何かを学びSCGDCに備えることにした。大会が終わった後、俺は成績が良かった人のリプレイをいくつか見て、2度目の予選8-0をしてtop8に残ったLittleDarwin(aka Paul Rietzel)という人物にたどり着いた。感銘を受けて彼が何を使ったのか知りたくなり、すぐさま彼のリプレイを見てみた。数ターン後すぐに彼もまたエスパーを使っていたということが分ったが、俺の荒っぽい構築とは違い彼のデッキは洗練された構築であった。

まぁ俺のマジック人生の中では”デッキはしっかりしてたしただ運が悪かっただけさ“と済ましていたことも確かにあったが、今回はそうもいかない。Paulは影響力があり将来の殿堂入りも見えているプレイヤーでもあるから、俺の独りよがりな考えとデッキに固執するよりは彼の考えを聞かせてもらうことにした。彼はリストだけではなくエスパーについての考え、そしてそれがどう構築されるべきかということに関しても送ってくれた。以下は彼がMOCSで使ったリストだ。
4 Augur of Bolas
2 Restoration Angel
1 Snapcaster Mage
4 Azorius Charm
1 Devour Flesh
1 Dimir Charm
2 Dissipate
1 Negate
4 Sphinx’s Revelation
1 Syncopate
4 Think Twice
1 Tribute to Hunger
1 Ultimate Price
3 Supreme Verdict
3 Terminus
2 Island
1 Plains
4 Drowned Catacomb
4 Glacial Fortress
2 Godless Shrine
4 Hallowed Fountain
4 Isolated Chapel
3 Nephalia Drownyard
3 Watery Grave
Sideboard
1 Witchbane Orb
1 Snapcaster Mage
1 Detention Sphere
1 Rest in Peace
1 Dispel
1 Psychic Spiral
2 Tragic Slip
1 Ultimate Price
2 Jace, Memory Adept
2 Duress
1 Supreme Verdict
1 Nephalia Drownyard

リストを眺めた後、多くの気に入った点と少しのそうでない点が見つかった。俺はPaulがくれた新しいアイディアをもとに自分のオリジナルのエスパーをつくることに決めた。

MOでデッキをテストした後2k standard tournamentに持ち込み、ようやく納得いくものが完成した。リストを貼って個々のカードについての解説をする前に、イベントに向けての準備とデッキ選択について少し話そうと思う。

良い成績を残すために重要なことはデッキについて深い理解を得ることと、自分のプレイスタイルに合うようなデッキを選択することだ。個人的な話だが、俺はコンボデッキを使うことはめったにない。それは、俺が自分のデッキを回すことに専念するよりも対戦相手のゲームプランを邪魔しにいくということの方が単純に好きであるからだ。自分が使いたいデッキのタイプを確立したのなら、何度もデッキを回して練習をしよう。実際に大会に参加することもまた良い練習となるだろう。また、SCG Liveを見たり、記事を読んだり、ここStarCityGames.comでデッキを漁るなどをして環境の変遷から常に目を離さないようにしよう。

これが今回使う予定のデッキだ(まぁ多少の変更はあるかもしれないけどね!)。
4 Augur of Bolas
2 Restoration Angel
1 Snapcaster Mage
1 Obzedat, Ghost Council
4 Azorius Charm
1 Devour Flesh
1 Dimir Charm
2 Psychic Strike
4 Sphinx’s Revelation
2 Syncopate
3 Think Twice
2 Tribute to Hunger
1 Ultimate Price
1 Planar Cleansing
3 Supreme Verdict
2 Jace, Architect of Thought
1 Island
1 Plains
4 Drowned Catacomb
4 Glacial Fortress
3 Godless Shrine
4 Hallowed Fountain
3 Isolated Chapel
3 Nephalia Drownyard
3 Watery Grave
Sideboard
2 Blind Obedience
1 Detention Sphere
1 Oblivion Ring
2 Rest in Peace
1 Negate
2 Tragic Slip
1 Ultimate Price
1 Obzedat, Ghost Council
1 Gideon, Champion of Justice
1 Jace, Memory Adept
2 Duress

見ての通り、このデッキはPaulのものと似通ってるところがある。MOで何時間も練習し、semi-high-level standard event にも参加し、環境を見直し、グランプリやSCGのカバレージを読んだりしてようやく完成した。

SCGDCに参加する皆はもしかしたら既に使うデッキを決めてしまっているかもしれないが、そうでない人や参加しない人はもし良かったら俺のリストに込められた考えを是非聞いていってくれ。

○クリーチャー
ボーラスの占い師4
占い師はこのデッキで核となるカードである。占い師が外さないように、多くのインスタントとソーサリーを搭載することは最も重要なことである。理想としてはPaulのように26枚程度欲しかったが、思考を築くもの、ジェイスは俺にとってあまりにも良いカードであったためにこれ以上インスタントやソーサリーのためのスペースを割くことが出来なかったんだ。
一つしてしまったミスとして、前のめりじゃないデッキに対して2ターン目に占い師を出してしまった。このようなマッチアップのときには熟慮をうったり、アゾリウスの魔除けをサイクルして確実に土地をのばすことの方がずっといいんだ。占い師は確かに欠かせない存在ではあるが、プレインズウォーカー、エンチャント、あるいは2枚目のオブゼダートをサイドから入れるときには大体占い師をサイドアウトする。

修復の天使2
天使は現在のスタンダードにおいてとても柔軟なカードだ。プレインズウォーカーを倒しにいったり、占い師や瞬唱の魔道士をブリンクしてアドバンテージを得たり、そしてアタッククリーチャーの前に出すことによって擬似的な除去としても扱える。今回は2枚しか採用していないが、このことは対戦相手が知り得ることは無いし、天使という存在自体が対戦相手のプレイングを縛ってくれる。

幽霊議員オブゼダート1
オブゼダートは特にトリコなどの多くのデッキに対して有効であるため非常に気に入っている。また、アグロなデッキに対してもライフは得られないにしろ硬い壁として使うことも出来る。

瞬唱の魔道士1
瞬唱を1枚指すことは実質的に全ての呪文を1枚多く採用したことと同意義だ。思案や定業の無い今、瞬唱を唱えるときは基本的に4マナ以上使うことになるし、4マナ以上するカードは既に多く採用している。1枚あれば十分で、あまり多くあっても仕方が無い。2枚の天使で使い回すこともできるしね。なんだかんだで1枚に落ち着いたよ。

○プレインズウォーカー
思考を築くもの、ジェイス2
ジェイスはこれ以上無いくらいにすばらしい!軽いカウンターと除去が多いこのデッキでは、何も無い場にジェイスを出すだけでゲームに勝つこともある。アグロなデッキに対しては+1能力が刺さるし、コントロール相手にはライブラリーを掘り進めハンドの質を高めていけばいい。
また、4マナといった軽さから対戦相手の不意をつくことができる。未練ある魂や軍勢の集結などをシャットダウンできるのも優秀だ。ジェイスが場にいる状態でゲームが長引くと有用なカードを引き込めるという点から勝ちに近づけるので、彼を上手く守っていこう。

○カウンター
精神的打撃2
このデッキはコントロールではあるが、この構築だとあまり多くのカウンターを採用したいとは思えない。雲散霧消を差し置いてこのカードを採用した理由は、雲散霧消よりもマナコスト的に唱えやすく、LOを狙いにいくときには助けになってくれるからだ。屈葬の儀式や未練ある魂のフラッシュバックを防げる雲散霧消もまた良いが、俺は確定カウンターとして精神的打撃の方が気に入った。

中略2
中略は対戦相手の2ターン目の行動を妨害できるという点でとても優秀だ。遥か見や炎樹族の使者、聖トラフトの霊を止めるだけでその後の展開がずっと楽になるし、これは精神的打撃にはなかなか出来ない仕事だ。また、1度プレイすると対戦相手が勝手にそれをケアした動きをしてくるというのも良い。

ディミーアの魔除け1
ディミーアの魔除けは少し器用貧乏なところもあるが、俺は気に入っている。遥か見やラクドスの復活、ミジウムの迫撃砲、それに忌むべきもののかがり火なんかを打ち消すとゲームの流れを変えることが出来るからね。もちろん、これは否認でも出来ることだがディミーアの魔除けには選択肢が多いという点で好んでいる。すごく強いというカードでもないので2枚以上は使いたくないが、1枚指しておくとデッキに柔軟性を与えてくれる。

○除去
究極の価格1 アゾリウスの魔除け4 次元の浄化1 肉貪り1 飢えへの貢ぎ物2
至高の評決3
このフォーマットには様々なクリーチャーがいるために、除去を散らすことによって勝ちに近づくことが出来る。究極の価格、アゾリウスの魔除け、肉貪り、そして飢えへの貢ぎ物と言った軽い除去はアグロなデッキに対して必要だ。そしてもし盤面が手に負えなくなってしまったのなら、至高の評決で場を流してそこからゲームの流れを変えていけばいい。
次元の浄化はプレインズウォーカーを含むミッドレンジに対してとても有効である。6マナはアグロなデッキに対しては重すぎるからね。このように除去を散らすことによって、占い師に選択肢を与えられるのもいいね。まぁ正直な話とりあえず何か手札に加えられるだけで嬉しいんだけどね!

○ドロースペル
スフィンクスの啓示4 熟慮3
これ以外にもアゾリウスの魔除け、占い師、ジェイス、そして時に瞬唱の魔道士もドロースペルとなってくれる。

○土地
土地はネファリアの溺墓3を含む26枚にした。最初は27枚で回していたが、少し多すぎると感じるときがあったし、軽いドロースペルをうてば土地は引いてこれるという点から1枚減らした。ギルドランドやM10ランド、そして基本土地の枚数に関しては出来る限りバランス良く仕上げたつもりだ。

○サイドボード(それぞれが何に刺さるか)
記憶の熟達者、ジェイス1:トリコ、コントロール、バント、人間リアニ
拘留の宝球1:対プレインズウォーカー、アグロ
幽霊議員オブゼダート1:トリコ、Naya Blitz、コントロール
盲従2:赤単、Naya Blitz、アグロ
強迫2:コントロール、トリコ、ジャンド
安らかな眠り2:リアニ、トリコ
忘却の輪1:対プレインズウォーカー、アグロ
究極の価格1:アグロ、トリコ、バント
否認1:トリコ、コントロール、リアニ、ジャンド
悲劇的な過ち2:アグロ
正義の勇者1、ギデオン:コントロール、バント、アグロ


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